平 成 14 年 6 月 議 会

1.     病病(病院と病院)連携、病診(病院と診療所)連携について

(質問要旨) 
 重病、重症患者は高度な医療設備をもつ病院、危機を脱したがまだ医療的な入院治療が必要な患者は療養型の病院といった、急性と慢性の役割分担において病院の連携が必要である。病病連携、病診連携は、個々の医療機関がバラバラに医療を提供するのではなく、地域住民により効率よく効果的に連続した医療が提供されるように、医療機関の機能を分け、それぞれの役割を補完しあう形で、地域内に医療ネットワ−クを構築しようというものである。しかし脳や脊髄などに障害を負い高度医療と長期医療の両方が必要な患者は少なくない。行き場のない慢性期患者が急性期のベッドをふさぐことも少なくない。この連携がうまく取れないと命が助かっても寝たきりになったり、なかなか患者の方が退院したがらなかったりといったことになりかねない。


 そこで病院同士が互いに連携協力、補充し合って、患者の需要に合わせた機能を持って適切な病院を紹介しあうことが大切になる。一つの病院が治療を完結させるのではなく、地域全体の医療機関が患者を支え合うシステムづくりが県として早急に必要と思われるがいかがか。
 特に65歳未満の若い患者は介護保険も適用されず医療費も高くて寝たきりの状態の人の行き場所がない現実がある。基本は入院の必要性にすべて答えることだと思う。県は効果的な病病、病診連携のためにリ−ダ−シップをとるべきであると思うがいかがか。

(知事答弁)県としても県民が質の高い医療を受けられるよう医師会、病院協会等の協力を得ながら基幹病院を中心とした連携など効率的な医療連携システムの確立を図っていきたい。

(福祉保健部長答弁)これまで各保健医療圏域内を中心に医師会や関係機関と連携し、かかりつけ医の普及や紹介・逆紹介システムの推進などモデル事業の実施に取り組んできた。昨年度は医師会や病院協会をはじめ各圏域の基幹病院の皆様に参加いただき「地域医療連携推進協議会」を設置した。本年度は、同協議会で連携システムの構築に向けた方向付け等をいただく予定である。県としても県民のために病病・病診連携を積極的に推進してまいりたい。

2.      建設労働者の賃金確保について

(質問要旨) 
 長期に及ぶ不況の中で、和歌山県においては近畿の中でも倒産、失業の比率が高く、我が県の基幹産業の一つ建設業にいたっても不況業種の最たるものであり、受注競争が熾烈を極め、いちじるしい低価格での競争になっている。当然そのしわ寄せは下請け業者に来て、末端の労働者、職人の皆さんの賃金を低下させ、仕事も少ないがゆえ生活を圧迫させている実態がある。
 

質問@ 
 ダンピング受注の防止、下請契約の適正化、及び工事代金の不払いについて県の監督指導の徹底を


(土木部長答弁)建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化をはかるための措置に関する指針等に基づき、適正な執行をするよう指導している。

質問A  
 建設業の倒産件数は和歌山県においても非常に大きな割合を占める中、地元の建設業者の育成施策は必要である。分離発注を進めて、成長努力を続ける地元の建設業者にこれまで以上に受注機会を確保すべきでは。


(
土木部長答弁)
県内建設業者の育成を図るため、可能な限り分離発注に努めている。
質問B  
 建設業退職金共済制度がすべての建設労働者に完全適用されるように指導の強化を。


(土木部長答弁)今後も経営事項審査等の際、公共工事の元請業者に対して指導していく。


3.      人権問題について

 本年2月4日に打田町役場のホ−ムぺ−ジに、極めて悪質な差別メ−ルが送信されるという事件が発覚したことについて、

質問@
「同和問題はもう終わり」という風潮の中、実際に差別事件が続発している。今回公務員が関わったということはゆゆしき事態である。
インターネットでの差別事象の具体的な防御策等、二度とこのような問題が起こらないよう、県の取り組みの方向性と「処理規程」の再構築の必要性について
知事の今後の取り組みは。

(知事答弁)同和行政の第一線に携わる市の職員が関わったということで、県としても、私としても、ほんとうに残念であり、あってはならないことと真剣に受け止めている。インタ−ネットによる差別事件が続いて発生していることから、地方公務員に対する研修を徹底するとともに、厳正に対処してまいりたい。
「地対財特法」が今年の
3月を以って失効したが、私は、差別が存在する限り同和問題の一日も早い解決を目指した取り組みをしていかなければならないと考えている。事件の処理にあたっては、国において人権救済体制が整備されるまでの間、地方行政が主体的に取り組むという考えのもと、処理体制のあり方を検討するなど、事件の内容に応じた適切な処理を行ってまいりたい。

質問A
今回のようなインタ−ネットでの事件等が起こった時、人権をどのように擁護し、差別行為を抑止するのか。


(
企画部長答弁)
不適切な書き込みを防止するための法規制等を、国に対し、要望を行ってきたところ、いわゆる「プロバイダ責任法」527日から施行された。この法律に基づき、プロバイダが、発信者の開示を行うことが可能となり、人権の擁護及び差別行為の抑止につながるものと考えており、この周知に努めてまいりたい。県としては、差別的な書き込みが行われない土壌の醸成が重要であるという認識から、本年4月に県人権啓発センタ−を設置した。

質問B
差別を受けている地区住民と、差別行為を行っている側双方に対する「人権が尊重される社会づくり条例」の効力について。


(企画部長答弁)県民一人ひとりがこの条例を遵守することにより、一人ひとりの人権が尊重され、差別を受けることも、差別を行うこともない社会が実現されると考えている。同時に、県としては、差別を受けた方の思いを勘案し、国において人権救済に関する法律が一日も早く制定されるよう、引き続き強く求めていく。

長坂の議員活動での成果

(平成136月議会で精神科救急医療システムの整備について質問)

@.
平成14年度より24時間365日かかれる精神科救急医療施設を和歌山市を中心とした紀北ブロックに精神科病院の輪番制をもって整備し、精神障害者やその家族などが安心して受診できるような体制を確立。

(平成1312月議会で「紅葉の山林づくり」について質問)

A.「緊急地域雇用創出特別基金」を活用し広葉樹等を植栽するため
「広葉樹林等森林環境整備」
(平成14年度予算 352,100,000)、及び
「古道周辺森林環境整備
(平成14年度予算 128,944,000)を創設実施。