平 成 15年 12月 議 会

1.和歌山港〜みなとまちづくりについて

(長坂) 和歌山下津港本港区は遊休地が多く、非常に利用効率が悪く、取扱量の目立った増加も見込めない状況である。中央卸売市場と定期便のある時間帯のフェリ−乗り場以外はさびしい「みなと」である。  みなとは元来地域の歴史文化、生活そして産業が集まり散ずる賑わいの場所であるはずだ。7月20日の海の日のみなとまつりには花火で市内外から二十数万人の人が押し寄せて夏の風物詩を楽しむが、この地域に人が集まり、食事、買い物を楽しみ、海の風情を味わいながら散歩、休憩できるような場所に作り上げていき、市民レベルで「みなと」に親しみ、「みなとまちづくり」をしていって、子供たちにも「みなと」に来て港湾の経済活動、税関、作業現場、貨物船をはじめ様々な船や上屋・倉庫を見学してもらって生きた体験が出来るような総合学習の場にしていくようにすれば、「みなと」も一般市民に親しまれ、活気を取り戻して暗いイメ−ジを払拭して「みなと」の遊休地の利活用の機運も芽生えてくるのではないか。港湾管理者である県と共に市町村あるいはNPOなどの市民団体、地元企業と連携しながら和歌山港を活気づけていく、そんな「みなとまちづくり」のお手伝いが出来たらと思う。下関港、清水港、それに能登半島の七尾港等地方各港では個性を活かした様々な「みなとまちづくり」がすでに展開されている。  「みなと」も人流・交流の拠点として魅力あるものを作り上げれば地方の経済の活性化に大きく貢献できる一つの証しとなったわけだ。「みなとまちづくり」について知事の所見は。

(知事)今までの港湾整備中心から、これからの時代は、ソフトを中心に、人が集まりやすい地域整備という形で行うことが非常に大事だ。和歌山下津港は一般の人には余り関係のない場所という感じになっている。しかし養翠園もあるし、番所定演から田の浦、和歌の浦へ通じる、付近の素晴らしい景観というのがある。こうしたものを港湾と連関する、身近な集まり場所として整備していくことは大事だ。和歌浦とか和歌山港は県が管理者だが、なんとなく和歌山市の仕事というような感覚が強い。しかしこれからは、県、市、そして住民3者がスクラムを組んで良くしていく形にすべきだと思うので、議員のご意見も入れながら積極的に取りくみたい。

(長坂)港内の老朽化したような倉庫・建物を民間に貸し出して、それこそ港のSOHOにしてみても面白いのではないかと思う。

(長坂)和歌山港に隣接する雑賀崎地区から片男波地区には美しい海岸線が続く。ここも漁港を含めた一種の「みなと」だ。ここには生活の息吹きがあり、海辺そして公園の散歩に最適の場所だ。和歌の浦という歴史文化に彩られた地域の中で、公園内の海辺から、そして山あいから臨み見る風光明媚な景観をもった県立公園としての存在意義を今一度考えていただいた上で、地元和歌山市とも十分連携を取っていただいて、市民、県民に気軽に親しまれる和歌山、和歌の浦再発見のために、高齢者や障害者にもやさしい、細かいところへの平生からのさらなるご配慮を要望する。

(長坂)以前雑賀崎の友人に双子島の大島の下にはわかめなどの海藻やアワビ、イセエビが一杯生息していると聞いていたが、魚介類の産卵場所にもなる藻場の育成、それに高級魚でなくてもいい、和歌浦ならではの地の魚を育てて増やして、旅館で地魚料理のコースを観光客・宿泊客に食べていただけたらどんなに満足いただけることか。温泉を掘って、高齢者・障害者の皆様にも介護保険を利用してできるだけ経済負担をかけずに中長期の保養・療養として旅館・ホテルに宿泊いただき、海辺の遊歩道をゆっくり景観を楽しみながらリハビリを兼ねて歩いていただく、そして地元の住民、市民参画で、地域的盛り上がりで、せっかく有する天与の自然資源が活用できればと考える。紀南の水産試験場増養殖研究所でオニオコゼの種苗を生産し中間育成しているとのことだが、それなら日頃おなじみの根魚のカサゴやメバル、アイナメのような魚を同じように生育、養殖できないものか。和歌山市周辺の海において、身近でそれでいて美味しい魚の栽培漁業について、藻場の育成と合わせて現況と今後の施策をうかがいたい。  観光振興に、漁業振興に、そして漁港における「みなとまちづくり」のためにも必要と考えるからだ。

2.和歌山市内の河川の浚渫について

(長坂)和歌山港につながる水軒川は、黒くにごった、悪臭の漂う川として、また護岸も傷んできており、地元でも何かと要望の多い川である。紀ノ川河口の薬種畑地区と南港を結ぶ海水の川であり、整備すれば港近郊でもあるし、小船でも浮かべて気軽に遊べる川だ。ぜひみなとまちづくりの一環としても浚渫工事を積極的に推進いただきたいがどうか。  和歌山市内の内川の中で特に大門川は近年沿岸の染色工場の排水もあって水質汚濁が進んでいる。  去る11月16日大門川沿いの新在家の自治会の有志の皆様で水の冷たい中、川に入って2時間ゴミの引き上げを行ったところ、わずか10メ−トルの区間でなんと単車、自転車、農機具、家電品、カン、ビン、長い黒ビニ−ル、それに一般ゴミの入ったゴミ袋等々が次々に引き上げられた次第だ。不法投棄に対する行政処分はもちろんのこと、川ざらいというか、浚渫が急がれる。大門川をはじめとする和歌山市内の内川、土入川等の浚渫等についても取り急ぎの施策をお願いいたしたい。

(県土整備部長)県としても、和歌山市内河川の水環境改善のため、現在和歌川・水軒川の浚渫に取り組んでいるが、引き続き工事の推進に努める。大門川の浚渫については、河川の流下能力向上と併せて河床掘削工事として実施することとしている。掘削を行うにあたっては、まず、護岸及び橋台の補強工事が必要であり、現在、護岸の補強工事を行っている。それらの工事が終わった区間から、順次掘削工事を進める。

(長坂)一部の市民のマナ−が実によろしくないわけだが、時代的傾向としてゴミの有料化が進んでくると、近い将来産廃のみならず、もっと一般廃棄物の不法投棄も増加してくると思う。県生活環境部と県警当局も適正な対処、厳正な行政処分を検討いただきたいと要望する。