近況報告

長政研レポ−ト vol.33号 笹鳴号

寒さが身体にこたえる季節が到来しました。皆様お元気ですか。政権交代が実現し、行政刷新会議でスパッスパッと削減縮小を行っていく、衆議院議員総選挙の際のマニフェスト公約を実現しようと、前政権時の事業がどんどん覆されていく。長年積もった政治のウミを取り除くためには思い切ったことが必要なのでしょうが、まさに明治維新以来の革命とも言うべきものであります。地方としてはやはり課題ごとに是々非々で対応していかざるを得ないのではないかという思いを強くしております。望むらくは、政府与党は地方にかかわる諸課題については、まず地方の意見を聞き、現場の事情を知る作業を行っていただきたいと思います。新型インフルエンザも警報値を超えて、準備が進んでいた地元の自主防災訓練も延期となりました。また円高は進み、景況も悪化しつつあり、予断を許しません。  そんな折も折、去る11月11日未明、和歌山市を中心に1時間に120ミリにも達する記録的な豪雨に見舞われ、その浸水被害は、地元高松地区を始め、和歌山市全域にまで広がりました。被災された皆様には謹んでお見舞いを申し上げます。私の家も雨といが逆流してキッチンが水浸しになっておりましたが、公共下水道がほぼ完備されているといわれる地元でも午前3時前から雨が激しくなり、腰の上あたりまで水が押し寄せ、床上、床下合わせて200戸をゆうに超える大浸水被害となりました。この日高松地区を何軒も見回らせていただきましたが、畳は全滅、ふすまやたんすはめくれ上がり、寝るところはもちろん、座るところもない有様のご家庭もありました。緊急避難場所といってもすぐには公営住宅も手配できない、集会所や連絡所が何とか住民の皆様の熱意で開放されたくらいでした。市当局も各地に起こった被害の対応に追われパニック状態、あらぬうわさ、風評まで飛び回り、私も「何してんのや」とお叱りばかりいただく始末でした。住民の皆様のご意見を聞かせていただいて、市下水道部を窓口に当時の状況説明を受けつつ、その都度疑問・質問をぶつけさせていただいています。和歌山市によれば、時間雨量50mm対応の公共下水なので時間120mm降られると物理的に対応不能だったと言うのですが、警報が事前に出ていたのだから、もっと早く現場(近く)に職員を張り付かせ、パトロ−ルしながら、道路脇の取水口にたまるゴミをそのつど住民と共に取り除くとか、住民の陣頭指揮に立っていただくなど、何かしらできることがあったのではないかと思います。昨今全国各地で発生しているゲリラ豪雨です。今後も十分予想されます。当局には当然ポンプ場の排水能力アップを考えていただかなければいけませんが、被害を最小限に食い止めるための対策を早急に打ち出していただきたい。私も地域の議員として体を使ってできる限り現場を見ながら、当局に改善と対処を求めていきたいと思います。

<11月19日(木)第6回近畿6府県議員交流フォ−ラム>  今年は奈良県議会において、地方分権・防災・医療の分科会に分かれて勉強させていただいて、私は「医療」の分科会に入りました。まず、医師・看護師不足については、根底に医療費の抑制・削減があること、看護師については長く続けられる職場づくりの必要性が議論されました。救急医療体制については、他府県には病院のたらい回しによる死亡事故もあって神経を尖らせているようです。和歌山県も日赤・医大病院等3次救急医療機関へのしわ寄せが大きく、決して安心していられません。1次救急が機能しないと、2次、3次救急もうまくいきません。開業医や医師会とのタイアップは必要でしょう。次に地域による医療格差の問題ですが、これも医師不足に起因しています。#7119の相談電話の積極的な活用が議論されました。総論として、病気になるまでの予防、これは行政が主導的役割を持つべきではないか、また患者側のモラル、そして診る側のモラルをもう一度見直そうではないかと提言もありました。他府県の議員さんもたいへん医療について詳しく調査・研究をされており、自分自身いい勉強をさせていただきました。

<7月18日(土)平成21年度和歌山市人権委員会第8ブロック(吹上、砂山、今福、高松地区)人権研修会> 僭越ながら、第8ブロック人権研修会にて「老人福祉と医療について」と題して、講師を経験させていただきました。和歌山放送ラジオの毎週日曜夕方5時50分からの10分番組「健やかな老後をおくろう」に出演させていただいている関係でご指名いただきました。私の亡き祖父母の長寿ゆえの母親の介護の苦労や自分の老人ホ−ムへの歌の慰問経験を踏まえて高齢者福祉に興味を持ったことや、私のような福祉の素人が日頃素朴に感じる疑問を、医師であり、介護福祉に詳しい和歌山県立大学上野准教授にぶつけながら、現在国が、本県が抱える様々な問題について語っていくことの必要性なんかもおしゃべりしました。また、暑い夏に気をつけたい熱中症や脳梗塞、それに特に50代以上の女性にありがちな骨粗鬆症についても取り上げさせていただいた次第です。

<11月13日(金)「すこやかに生きよう」健康よもやまト−ク>  今度はいつもラジオ局で行っているト−クを一般市民の前で画面を使った説明も加えながらやってみようじゃないかということで和歌山放送さんの主催でフォルテワジマの講義室をお借りして上野雅巳先生と共に開催いたしました。最近の高齢者福祉について感じること、例えばヘルパ−の低賃金やヨ−ロッパの高福祉高負担との違い、趣味やボランティア活動にいそしむ元気な高齢者の話、和歌山県の高齢化の進展等をお話した後、メタボ、骨粗鬆症、心疾患、それに脳血管障害等について上野先生に遠慮ない質問を浴びせさせていただきました。今度機会があればもっとポイントをしぼって突っ込んでやらせていただこうと思っています。

<11月6日(金)エコ関連施設視察研修> まず兵庫県加東市の田園地帯にあるパナソニックの100%子会社であるパナソニックエコテクノロジ−センタ−(株)へ行きました。法にのっとって2001年4月より家電リサイクルを行っています。2府4県をカバ−してもうすぐ600万台の家電のリサイクルを達成します。開かれた施設として小中学生の教育の場でもあり、海外からも視察が多いようです。地域との共存も果たし、この工場に来たものはすべて処理することをモット−に職員さんもわき目も振らずに仕事にいそしんでおられました。次に大阪北港にある日本環境安全事業(株)大阪事業所を訪ねました。2府4県のトランス、コンデンサ−等の高濃度PCB廃棄物を処理する工場で、20世紀の負の遺産として30年以上にわたって保管されてきたPCB廃棄物の処理を行う、資本金100%の国策会社です。平成18年10月に操業開始、廃棄・排水・残さに影響を与えないよう、徹底した対策が講じられているそうです。なおPCB廃棄物を保管する事業者は、保管状況の届け出の他、平成28年7月までの処理が義務付けられています。

<11月28日(土)和歌山テニスフォ−ラム2009> 本県のテニスの普及・レベルアップと、2015年の2巡目和歌山国体での優勝を目指して、他の競技スポ−ツ団体に先駆けて、和歌山県テニス協会で講演会、マナ−キッズテニス教室、トップコ−チによるテニスクリニック、そして夕食懇談会という3本立てのテニスフォ−ラムが実施されました。以下3人の先生の講演要旨です。 1.「子どもは教えれば変わる」−子どもに礼儀正しさのDNAは残っている−  講師:NPO法人 マナ−キッズプロジェクト 理事長 田中日出男氏  元々会社で人事労務関係の仕事をしていた時、社員が挨拶をしないので挨拶の奨励を行ったり、近くの小学校で生徒が挨拶もせずに校門を入っていくのを見て、早稲田大学庭球部のOBに話をしてOB同士でマナ−も教えるテニスクラブを作ったのが始まり。小笠原礼法の鈴木万亀子先生にも加わっていただいて、平成17年4月に正式に立ち上げ、今まで42都道府県で29152名参加、和歌山県は計57回2675人で約9%、82小学校のうち8校が学校の授業で実施。2巡目国体に向けた取り組みを目指す和歌山県テニス協会と意見が合致した。「言葉とお辞儀は別、心を下げてそれからお辞儀をする。そして相手の顔を見て残心する」今後マナ−キッズと和歌山県のゴ−ルデンキッズプロジェクトをうまく結び付けてほしい。 2.「テニスで学んだこと」  講師:(財)日本テニス協会顧問、1955年全米選手権ダブルス優勝者 宮城淳 氏  去る9月の全米オ−プンで大本命S・ウィリアムスが準決勝でラケットを地面にたたきつけて折ったことでまず1つ目のペナルティを受け、次のセットでフットフォ−ルトをラインズマンに取られ、猛烈に抗議、聞くに堪えない暴言を吐いてまたペナルティ、そして負けた。全世界から尊敬を受けるべき選手がこんなことをしてはいけない。ちなみにこのラインズマンはボランティアで参加した日本の女性だった。強くなった選手の中には感謝の気持ちもなく自分1人で強くなったと思っている選手が多い。戦後スポ−ツができる喜びから、まず野球部、そしてテニス部に入部。早稲田大学庭球部時代、インド・アメリカで武者修行、アメリカで負け続けて傷心のまま帰国、早慶戦でやっと勝利して、監督から「強くなった」といわれた。1つの原因に、小さい頃から毎日日記をつける習慣があったことだ。パリダカの篠塚健次郎もマルチナ・ナブラチロワもこれで成功した。毎日起こったことを文章にしておくとためになる。 3.「クルム伊達公子選手 復活とテニスの真髄」  講師:(財)日本テニス協会前強化本部長、沢松和子、伊達公子を育て上げたコ−チ、元デ杯選手 小浦武志 氏  心技体視のト−タル思考が大事だ。日本は世界で3本指に入るテニス普及国なのに弱い。あまりに人のコピ−をしすぎる。回りがつぶしている。基本と絶対基本は違う。絶対基本はスポ−ツの基本プログラムだ。運動神経は後天的、だから「トンビが鷹を生む」のだ。すぐ結果の中に入ってしまい、絶対基本を忘れがちだ。すべての筋肉をいかに使うか。伊達のウィニングショットは「ライジング」といわれているが、彼女は「ライジング」で打っているとは思っていない。タイミング、リズム、バランスがすべてだ。伊達は前後の動きが早くて、目がいかに鋭いことか。この1年数ヶ月彼女をコ−チしたが、一番強いのが好奇心と負けず嫌いだ。今の伊達は筋肉の中の神経ばかりを使って練習しており、試合の前に30分間汗まみれになってスピ−ドトレ−ニングを行い、体の中の部分を徹底的に鍛えている。また試合前には絶対ウオ−クマンを付けるな。さあ始まるというときに集中できなくなるのだ。

<11月25日(水) (財)和歌山社会経済研究所講演会> 「地方分権の進展と和歌山の再生について」 講演:早稲田大学大学院公共経営研究科専任教授 北川正恭 氏  今文明史的転換点にある。明治維新はしがらみのない田舎侍が立ち上がり、産業革命で旧態を壊した。今回民主党政権になって事務次官会議をなくして官僚中心の国づくりが崩壊した。この政権交代は平和裡に1票1票によって実現されたことで、明治維新より大革命だ。この権力交代は本格的交代であり、行政刷新会議ですべて作りかえられる。しがらみを断つということは敵を作ることだ。「政権交代」を日常的なものにするためにはみんなが慣れてこないといけない。アメリカは政権交代すると3000人の役人がクビになるが、シンクタンクは独立して存在している。日本はシンクタンクが弱い。政治は「お願い」から「契約」へ変わる。しかし対抗勢力がないと民主政治ではない。解党的覚悟で自民党はやるべきだ。納税者の視点に立ってから対抗すべきだ。民主党の言う「地域主権」は正しい。「制度的補完性」を変えないとダメで、本来脱官僚国家になってから刷新仕分けをすべきだ。そして民主党の掲げる世界観をきっちり紙に書くべきだ。地方も中央依存より自分たちの自立、創意工夫、断固として自分たちが作っていく気持ちが必要だ。それをしないと地域の発展はありえない。中央と地方が対等の立場で議論しようということにすべきだ。今まで知事は国を見ていたのであり、県民を見ている余裕はなかった。知事は県議会議員へ説明責任を果たしていなかった。知事と地方議員はしっかり議論すべきで、はじめはガタガタするが、大喧嘩してから県議会の立ち位置も変わったし、執行部もピリピリしてきた。自分たちのまちは自分たちで作ろうというのが道州制だ。「地域主権」とは全部地域の目で地域を見ることだ。県、市の意識改革、そして地方議会から地域を変える、これに全力を挙げて取り組みたい。他人に責任を押し付けるのではなく、自責文化の発祥地にシンクタンクがなってもらいたい。

<編集を終って> 視察、研修等で各地を訪ねますと、それぞれ観光地と呼ばれるところは観光スポット周辺には目立つ表示を設けたり、雑草やゴミは目立たずにきれいに掃除されています。お土産品には人の目を引くようなパッケ−ジやデザインを施し、箱の大きさにもバリエ−ションを加えています。売り込む、宣伝をするために何気ない創意工夫が凝らされている、和歌山県ではその辺があまりに無頓着、よく言えば素材重視ですが、人の心を奪うことが下手なんじゃないかといつも思ってしまいます。自分たちの地域が持つ魅力を光らせる努力、それこそ「自分たちの地域は自分たちで作り上げる」という意気込みが必要ではないでしょうか。(長)


@ 宇須工場前マンホ−ルからの噴き出しによる道路崩れ A 塩屋1丁目市道脇取水口にゴミがたまる〜浸水の1つの原因 B 床上浸水状況〜大人の腰上まで浸かる C けやき大通りのイチョウ、ケヤキの落ち葉が雨といに詰まる天井被害 D 田中町JR高架下地下道が完全に水に浸かった状態 E 11月19日(木)近畿6府県議員交流フォ−ラム参加 F11月20日(金)県議会議会運営委員会で北海道議会視察

G 熊本県産業技術センタ−食品加工室で生み出されるおいしそうな県特産物 H 熊本県食品産業クラスタ−協議会会長の熊本製粉株式会社 I サントリ−ウェルネス兜ス島常務の講演 J (社)和歌山県農産物加工研究所稲葉所長の講演 K 7月18日(土)〜19日(日) 宇須井原神社夏祭りにて L 7月21日(土)〜30日(木) 高松地区ラジオ体操終了後、今年も高松小学校児童から「ありがとう」の絵をいただく M 8月2日(日) 第6回紀州よさこい祭り高松演舞場にて司会役

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                           
N 9月20日(日) 芦原地区敬老大会での伝統の子ども太鼓10月27日(火) 高松婦人会「紀の国ふれあいバス」研修 O 白浜町の県防災航空センタ−の防災ヘリ前にて P 串本町の県水産試験場のクエの養育現場 Q 11月5日(木)高松地区ふれあい食事会にて みどり幼稚園児のお遊戯 R リラックスする長坂隆司 S 好評のフラダンス 21. 8月19日(土)堤慶先生のギャラリ−「ア−トスペ−スツツミ」念願の和歌浦でのオ−プン
22. 9月27日(日)わかやま歌の会「歌の祭典」にて熱唱の図 23. 11月1日(日) お誕生ホ−ムパ−ティでのお騒ぎ 24. 平成21年8月 松ヶ丘1丁目にカ−ブミラ−設置 25. 平成21年8月 松ヶ丘1丁目にカ−ブミラ−設置 26. 平成21年10月 県道三田海南線和田地内側溝の泥・雑草除去 27. 平成21年10月 県道三田海南線和田地内側溝の泥・雑草除去 28. 10月11日(日)県テニス協会役員山田さんの和歌山インドアテニスクラブ創立30周年祝賀会にて
29. 10月12日(月)ソフトテニスの宇須クラブ秋季大会にて 30. 10月25日(日)‘09 和歌浦ベイマラソン with JAZZ 今年も走りました、必死の笑顔! 31. 平湯温泉にて 32. 晴天下、新穂高ロ−プウェイからの冠雪あり、紅葉ありの絶景 33. 小学校時代からの憧れの上高地 34. 日本アルプスを世界に知らしめたウェストン碑前にて 35. 信楽陶芸村の窯
36. 御在所岳ロ−プウェイ頂上にて 37. 湯の山温泉での宴会/FONT> 38. 大河ドラマ「春の坂道」の舞台、奈良市の旧柳生藩家老屋敷 39. パナソニックエコテクノロジ−センタ−の家電リサイクル工場見学 40. PCB廃棄物処理の日本環境安全事業椛蜊緕幕ニ所見学 41. 42.  
43. 44. 45.  46. 47. 48. 49
50. 51. 52. 53. 54. 55. 56.